恙無く初日が開きました。緊張感のある良いスタートと思われます。
やはり良い作品は長く続いてゆくものなのですね。
役者さんが入れ代わってまた新たなものになってゆくのですが、
作品の持つ本質は変わらず、何気ない日常があれほどドラマチックに表現されると、
知らず知らずのうちに大阪上本町と芦屋の蒔岡家の玄関を開けて上がり込んでしまいます。

舞台は本当に良いですね。そう言えば子供の頃から作り物の家や創られた明かりなど大好きでした。
撮影所に建てられたオープンセットなど、使われていない時よく出たり入ったりして遊びました。

今いる世界の他で飛びまわる面白さ、これが私の=物創り=の原点かも知れません。
「細雪」には素敵な台詞が沢山ありますが、三幕で長女の鶴子の言う
「夢はこのお手玉くらいの大きさが丁度ええ。
 掌にすっぽり収まって、邪魔になれば懐にしまえて・・
 時々取り出して遊べればそれでええのやわ・・・・・。」

また最後の場面で次女の幸子が
「平安神宮に着く頃にはもう誰も口を利かへん・・・・
 黙って疲れた足を急がせて、胸をときめかせながら門をくぐるのやわ。」
 潤色の堀越真さんは私も大好きなもので、いつもぐっ!ときてしまいます。

我等がナンノちゃんも美しい芸妓姿で、「雪」舞っています。
芸の神様、一ヶ月どうぞお守りくださいませ!