夏になると「浴衣」のお蔭か、着物人口が増えます。これは私のように「和」の仕事をしている者にとって喜ばしいことです。やはり浴衣は手軽に楽しめるのでしょうか。

昨今は種類もずいぶん豊富なのですね。花火の日などカラフルな女性(に限らず男性も?)が大勢歩いていると、洋服とは違った華やかさがあって良いものです。但し多様化が進みなんでもありになりすぎてしまうと折角の着物姿の良さが失われるような気がします。

しゃっきり着てこそ「涼しげ」に感じられますし、まず自分自身が気持ち良いと思います。なににしてもシンプルが一番!と私は思うのですが・・・・

好みの問題ではありますがたまに白地に紺の菖蒲や千鳥の模様の浴衣に白や朱、浅黄などの献上の帯をしめている人をみかけるとなんて綺麗なのでしょう・・・と振り返ってしまいます。

一体「浴衣」を購入した場合、どの程度着方を教えてもらえるのでしょう。着方と同時にたたみ方も習えるのでしょうか。隅田川の近辺で若い女性とすれ違った時「ん?なにか変」と思いよくよく見れば、左前に着ているではありませんか。また風になびいた裾の下に「裾よけ」を履いていず、ナマ足が腿の方まで見えてしまったりするとドッキリしてしまいます。

洋服と同じで着物の場合も、動いて美しくなければなにもなりません。本来下着を付けず着るといわれますが、それこそ今の時代そういう訳にもゆきません。肌襦袢、裾よけは着用した方がよいでしょう。そして自分の体形を活かした着方が綺麗で女性らしいのではないでしょうか。

スマートな方はむやみに補正をせず、ほっそりのままがとても美しいです。(小顔なのにウェストや胸に補正をいれるとバランスが悪いです)

またふくよかな方は、きゅうきゅう締めつけたりせず、ゆったりとほんわかと着ることをお薦めします。

よく年代別の着方などということを聞きますが、幾つであろうと自分に似合っていればよいのです。但し、だらしがなくなってはいけません。

「しゃっきり、すっきり」です。

下前をきゅっと引いて腰の線が行灯(あんどん)=下がだらしなく広がってしまうことにならないように着ると「小股が切れ上がってイイ女」に見えます。

と、自分の好みと経験でしかも女性のことばかりお話ししてしまいましたが、要するに男性のことは上手く説明できないのです。恰幅がよい方が似合うからといって、わざわざお腹に肉を入れるのって、あまり格好よくないですよね。

かといってえぐれたお腹では帯がおさまりません。適度な肉=タオルを按配よく巻くと良いと思います 。胸元は市販の「襟止」めをすると、はだけなくて重宝です。スマートな男性は腰で着て、ふくよかな方はお腹で着ると言われますね。なにはともあれ面倒臭がらず、数を着てくださることでしょうか?

男女をとわず動いて綺麗な着方と立ち居振舞いに興味をお持ちの方、ご一報ください。