あつ?い 京都へ行って参りました。
しか?し 比叡のお山は寒かったんです!
東京駅で花柳春先生にお会いした時、「ん?」という表情を感じ取り、
勿論その訳も充分計り知れたのですがつまり私のスタイルが、
ちょと?だったのでしょう。だって?!どう見ても舞踊家じゃありませんもの。
でもガルソネ・モンマルにしかないグレーのチュニック、でもそれって
先生にしてみれば「ボロボロファッション」だったのでしょうね・・・
京都に着いてあまり休む間もなく、あらかじめ送っておいた着物に着替えました。
春先生は淡い藤色地に金糸の縫い取りのある蘭が染めてある訪問着に、洒落た光琳松の染め帯。
私は紺地の立絽の付け下げに、朱鷺色と淡い金の小さな格子の織り帯。
ちょーお気取りで比叡のお山を登りました。(勿論歩きではなく、車でですが)
深山幽谷、まさにこの言葉のごとくのしつらえで、下界では味わうことのできぬ舞台設定でした。
片岡仁左衛門丈と中村壱太郎丈による、長唄「連獅子」。
その頃は、まだお山は暮れずうす明かりの中での趣向を凝らした演出。
(劇場ではないので、当然緞帳もなし、自然光を活かしたもの)
時計を見ると7時10分に「一番ぼ?し、み?つけた!」
暮れなずむ山の端延暦寺の僧侶による火入れの儀。そしていよいよ創作歌舞伎の始まり!
今年の12月に坂田藤十郎襲名を控えられた、
中村鴈治郎丈主演の「永久の燈火」(とわのともしび)?最澄入寂ー。
真の闇にレーザー光線が飛び交いスペクタクルな幕開けです。歌舞伎にはめずらしく、
女流舞踊家の尾上紫(ゆかり)さんはじめ群舞にも女流が登場し、哀しいお話しに
華やかさが添えられた感じでした。
鴈治郎丈の最澄さんは、誰もが救われるという大乗仏教を日本に広めるために命をかけますが、
病の床に伏し無念にもとうとう大乗戒壇設立を果たせぬまま入寂してしまいます。
その七日後、やっと朝廷から勅許が下ります。ふと何かを感じ空を見上げると、
ひゅーと白い布が山門の上に飛んで行きました。
まさにイリュージョンそれは「魂」だったのですね。(演出ー宮川高範さん)
いつも思うことですが、鴈治郎丈はなんて華のある役者さんなのでしょう!
特設の客席のまた華やかだったこと、祇園街、先斗町、宮川町はいうに及ばず、
京阪の超有名お茶屋やバーのおかみさん、ママさん。
お山を下りてお食事が始まったのが午後10時頃。宮川町で夜中過ぎまで遊ばして頂いて、
ホテルに着いた頃はもうフラフラ。でも私夏の京都好きです。
いつもは送り火めがけて訪れるのですが、
ちょっと早い鴨の河原もまた風情ありけり・・・・でした!