♪街は色付くけど〜待ってる人は来ない〜♪って、
南沙織さんが歌ってましたっけ・・・と言ったって、さてメロディーが浮かんでくる方は・・・?
誰にでもある青春の季節の「歌」はめくられたページに必ず貼り付けられているもの。

心がまだ柔軟だった頃、季節の移り変わりが「色」で識別できていましたっけ。
だから今、螺旋を描きながら落ちてくる枯葉に、ほんの一瞬でも心を止めることができると、妙にウルウルしちゃう。
「まだ大丈夫・・」って。
私の秋心を揺すってくれた、ひと日。

弟子の瑞君の舞台仲間の本間健太郎さんが新入門なさいました。
早々に彼の出演している映画のご招待を頂き、近いこともあり「目黒パーシモン」という所に拝見に伺いました。
「筆子その愛」=天使のピアノ=という作品です。
都立大学前の駅から歩いて8分位の所に位置する会場。なんと美しい「秋色」の道。
すっかり=楽しむぞモード=でもそんな浮かれ気分を一掃されてしまう程の内容濃い作品でした。

「障害児教育の母」と呼ばれた石井筆子の生涯。
その筆子に常盤貴子さん、伴侶に市川笑也さん(映画初出演とか)。
健太郎さんは小倉一郎さん親分の、ちょっと頼りなげな子分。(後に二人ともぶっかえっての美味しい役)
そして障害をもたれた多くのお子様。
大変なご苦労を描かれた作品ながら後味は良く、とても爽やか!これは創られた「山田火砂子」監督の瑞々しい感性の賜物でしょうか?太平洋戦争を挟み、冷静に世の中を見つめながらも、とにかく優しいのですよ。

ちょっと前に、近所の恵比寿ガーデンシネマで「パンズ ラビリンス」を見た時。
宣伝の=妖精=が出てくるシーンより、まずもって全く優しさの感じられない残虐シーンの数々(いかに戦時下といえども)に目を覆う始末。優しくないし救われない。

映画だろうと舞台だろうと、救われない作品は私の中ではシンドイのです。
と勝手なこと言いますが、私が私の想いだけで創っている作品を、いつも変わらぬ温かさで応援して下さる方に、今更ですが感謝感謝でございます。