清元 青海波(せいかいは)
永井素岳=作詞 三世清元梅吉=作曲

日本三大名勝の一つ、「松島」の風景を千珠満珠・・と重々しく、汐干狩りのことなど軽快に唄ってクドキ、二上にあがり、三下さんさがり、最後は清元の流儀を祝うチラシで終わります。
曲調は、全てを上品にと心がけた、明治期のものらしい作品です。
今回は序幕ですしダイジェストで、私が踊ります。

長唄 菖蒲浴衣(あやめゆかた)
二世杵屋勝三郎 三世杵屋正次郎=作曲

芳村伊十郎が三世芳村伊三郎を襲名した時の名披露目に初演奏されたもの。
本調子で五月の節句のくだり、二上りで浴衣とその模様のあれこれを唄い、三下りになって、隅田川の船遊びをしている内容の如く、粋でスッキリ明るいものです。一説によると「芳沢あやめ」(役者)好みの浴衣を売り出すための、いはばコマーシャルソングとして作られたといわれています。
なんであれ名曲は流行るのですね。

清元 玉屋
二世瀬川如皐=作詞 初代清元斎兵衛=作曲

当時流行のしゃぼん玉売りの風俗を舞踊化したもの。しゃぼん(せっけん)水を売る辻商人のことを玉屋といいます。
「さ~さよったり見たり・・・」と近所の子供を集めての売り立てから始まります。
玉づくし、蝶々の玩具を使った踊り、「吹けば飛ぶよな・・」と物売り稼業の哀歓も織りこみ、当時流行った「おどけ節」で派手な踊りになります。
祭礼の木遣りで終わりますが、これぞ江戸情緒!といった楽しい作品です。

長唄 近江のお兼
二世桜田治助=作詞 四世杵屋六三郎

近江八景になぞらえた八変化舞踊のひとつ。可愛らしいのに大力の娘、お兼を舞踊化したもの。
漁師の取巻を相手にお転婆振りを発揮します。
布晒を使っての振り事もあったりして派手な作品です。
今回は中学生になったピッタリの「お兼」さんです。

常磐津 山めぐり(山姥)
三益屋二三治=作詞  四世岸沢式佐=作曲

数ある「山姥もの」の集大成。遊女上がりで、坂田蔵人の妻である八重桐が一子怪童丸(後の坂田金時=童話の、ま~さかりかついだ金太郎)を養育するという舞踊劇の一場面。山姥が怪童丸に語って聞かせる山めぐりが一番の眼目となっています。
「浮き立つ空の弥生山・・・」のところは振り返って踊り出すのですが、その時は17才位に戻って・・・といわれています。
そもそもがそんなに年ではないし恐くもないのですよ。
今回は長唄の「四季の山姥」もありますが、長唄らしく華やかで、変化も多く、特に題名の如く四季が踊り分けられているところが違いでしょうか?